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深町貴子(ふかまち たかこ)

神奈川県川崎市生まれ。
東京農業大学短期大学部卒業
園芸家
有限会社タカ・グリーン・フィールズ 専務取締役
グリーンショップ「GREEN LIFE TAKA」オーナー
東京農業大学短期大学部生物生産技術学科非常勤講師(バイオセラピー論・園芸療法概論)

現在、NHK「趣味の園芸 やさいの時間」講師のほか、NHK「あさイチ『グリーンスタイル』」コーナー講師としても活躍中。
http://www.taka-greenfields.com/site/

■今までのブログ一覧


「冬の見回りは大事〜自分の健康と野菜の健康…」

2014.01.15 Wed

こんにちは。深町貴子です。


寒いっ!

関東でも時々、雪がちらつくようになりました。

そろそろドカッと降ったりするのでしょうか…?

ベランダの水瓶は1日中溶けることなく凍っております。

メダカ大丈夫かな〜…


寒くなると、人間も行動が鈍くなり….筋肉が硬くなり….

肩こりや腰痛など、あちこちが痛くなる。

そうなると、思わぬところで怪我をしたりするのですよね。

ああ…自分の事です。

運動不足になるからと、急に走ったりするのは逆効果。

大事なことはストレッチをしっかりして、水分をこまめに取り、

身体を柔らかくしておくことだとか…。

(医者によく注意されている内容です…笑)


また、せめて日に一度はお日様と過ごす時間も大切。

太陽の光で体内時計をリセットし、体のリズムを整えましょう。

寒い季節だからこそ、暖かい太陽の偉大さが体感でわかりますよ。

もちろん、寒い中無理をすることはありませんが、

お天気の良い日は、ほんの少しの時間でも、お庭やベランダに出てみましょう。

久しぶりにベランダに出てみたら….

びっくりすることがあるかもよ?


ビックリ?そんな驚きってある?

あるある〜。


冬は動物たちの餌も少なくなり、畑の野菜や花壇の花が良く狙われます。

一度、目をつけられてしまうと、毎日のようにやってきて、

食べ物がなくなるまで、居座ります。

誰?


我が家のベランダではヒヨドリですね。

この時期、本当に頭が痛い話です。

彼らは、葉も花も茎もみんな食べてしまいますからね。

しかも、床にはお土産も….(糞で汚れます)


大事な野菜には鳥よけに不織布や防虫ネットをかけ、

ミニ温室に避難させています。

でも、何も食べるものがないのもかわいそうに思い….

一部分だけ、防鳥対策をしていない場所があります。

すると…


ありゃりゃ〜…とこんな姿。

もはや、何の植物かわからなくなっていますが、

これでもブロッコリーです。


近所の農家では畑を覆い尽くすほどのブロッコリーが立派に育っていますが、

あまり鳥に食べられていません。

何が違うのだろう?と不思議に思っていましたが、

鳥の様子を見ていたら、理解しました。


我が家のブロッコリーは花壇(大きなプランター)の中にあります。

鳥は花壇の縁にとまり、遠慮なく美味しそうに食べておりました。

そうか….プランターや花壇の縁は止り木になるのですね。

知らず知らずのうちに、

親切にも鳥が食べやすい環境を作っていたのだなあ〜

次は鳥にとって居心地の悪い環境を考えてみますね。


さて、ブロッコリーは花蕾(つぼみ)を収穫する野菜です。

花蕾の大きさは、葉の面積が重要です。

大きな葉が光合成で糖をつくり、

さらにその糖で呼吸をし、エネルギーにしています。

つまり葉がなければ、成長が止まってしまいます。

見ての通り、我が家のブロッコリーは葉がない!

でもね….

どんなに葉が少なくなっても、小さな花蕾はできます。

諦めずに子孫を残そうとするのですね。

きっと、この種子を自家採種したら….

次の世代は鳥に喰われないように考えられたものができるかも?

鋼のように固い葉だったり、とても不味かったり…とか?

人間にとって、それは不都合な話ですが、

自然界で植物も動物も生き残るために必死に努力しているのです。


植物は環境に合わせて進化しています。

少しずつ…確実に変わっていくのが植物。

それがとってもスゴイところです。


ややや?

やられた〜

こっちもだ!





油断していた野菜がもう一つ…

イチゴです。


撮影用に真っ赤な実をたわわにつけた鉢植えでしたが、

撮影が終わったとたんに、啄まれました。

どこかから隠れてじっと見ていたのでしょう。


ところがこちらは食べられませんでした。




たぶん実が熟していないと思ったのでしょうね。

残念!

これは白いイチゴ。

最後まで赤くなりません。

鳥が色に敏感なのがよくわかりますね。


すっかり、鳥の話ばかりしてしまいましたが、

ベランダや庭の見回りをしながら、

忘れずにもう一つ確認をしてほしいことがあります。

それは土の水分状態を確認することです。


地面についた畑であれば、土壌中の水分が寒さで霜になって表面で凍り、

お日様が当たるとそれが溶けて…を繰り返すため、

空気が乾燥していても、土壌中の水分量はある程度保たれています。

ところが、鉢植えの植物は、

そもそも少ない土壌なので、霜で表面に水分が上がってきて、

植物が水分を吸収してしまうと、鉢の中はさらに乾燥が進み、

やがて水枯れを起こします。

水がなくなると、すぐに萎れる夏と違い、

冬は植物の変化が少なく、徐々に状態が悪くなるので、

わかりにくいです。

水分がなくなると、当然成長が止まってしまうので、

ますます気が付きにくいですね。


鉢植えは一度持ってみると良いですよ。

あれ?こんなに軽くなっている?と驚くこともあるかと思います。

晴天が続き、暖かい日の午前中を選んで水やりをしましょう。

翌日に気温が下がることがわかっているときは、水やりは避けたほうが無難です。

また、鉢植えの表面に枯草や腐葉土、ワラなどでマルチングをするのもおすすめです。

マルチングによって水分の蒸散を防ぎ、保温と保湿になります。


もしかしたら、昆虫たちが暖かいマルチの下に集まってくるかもしれませんね。

でも、嫌がらないで!

寒い冬ですから…植物も動物もみんなで支え合いながら、春を待ちましょうよ。

昆虫たちも、じっと寒さに耐えているだけですから…


寒くても、お日様の下に出ていきましょう!

身体を動かし、植物たちとおしゃべりしましょう。

きっと新たな発見があるはずです。


深町貴子