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深町貴子(ふかまち たかこ)

神奈川県川崎市生まれ。
東京農業大学短期大学部卒業
園芸家
有限会社タカ・グリーン・フィールズ 専務取締役
グリーンショップ「GREEN LIFE TAKA」オーナー
東京農業大学短期大学部生物生産技術学科非常勤講師(バイオセラピー論・園芸療法概論)

現在、NHK「趣味の園芸 やさいの時間」講師のほか、NHK「あさイチ『グリーンスタイル』」コーナー講師としても活躍中。
http://www.taka-greenfields.com/site/

■今までのブログ一覧


「春の寄せ植え…」

2014.03.01 Sat

こんにちは。深町貴子です。

     

少しずつ暖かくなってきましたね。

梅の花が終われば、桃の花….

ひな祭りはしましたか?

暖かくなると、庭を少しいじろうか...

花でも植えてみようか...という気分になります。


いかがですか?

それでは近くの園芸店やホームセンターを

覗いてみましょう!


そろそろ売り場も華やかになったことでしょう。

早だしの野菜苗や春らしい花苗もたくさん入荷しているかも?

では何を買いましょうか..

と、いうことで、今回はお花の話をしましょう。


花壇の構成や花の寄せ植えをするには、

まず頭の中で設計が必要です。

設計と言っても、ザックリとしたものでよいのです。

最初から植物の種類を決めていっても、

お店にいったら売り切れや入荷していない可能性もありますからね。


では何を考えておくのが良いの?

例えば....

まずどんなところで育てるのかを考えましょう。

その場所は日当たりが良いですか?

その寄せ植えは、どこに置くのですか?

つまり、環境です。

日当たりの悪い場所なら、日陰に強い植物を選び、

さらに暗い場所でも花色が目立つ白系でまとめましょう。

日当たりの悪い環境は、土がジメッとしています。

もともとジメッとしたところが好きな植物を選ぶか、

底石を入れるなどして排水を良くしてあげましょう。

まずは、育てる環境に合わせて植物を考えるといいですね。

環境が合わない植物を育てると、

せっかく美しい寄せ植えを作っても、

数週間で枯れてしまったり、草姿が乱れたりします。

半日陰には、白系が似合います。

夜に咲く花が白いものが多いのも、

月夜に一番目立つからですね。


そう!目立たなくては!

寄せ植えは見たい人、見せたい人が必ずいるはずです。

ちなみに植物は昆虫たちに、この美しい姿を見てほしいと願っています。

誰かがその寄せ植えを見たときに、「あら、素敵ね」と、

作った人のセンスが問われるところです。


ここは頑張らなくては!

環境から植物を選ぶことは、植物を上手に育てる上ではとても大切ですが、

何より楽しく遊び、育てる事で園芸を楽しまないとね。


寄せ植えは花束をつくるように、

メインの花を決めて、それを引き立てる花やグリーンでつくる方法と、

単一の植物が群生した姿や、

様々な植物が混在するような自然な風景をつくる方法があります。


前者はフラワーアレンジの感覚で、花の美しさや華やかさを強調するのが好きな方。

後者はナチュラルな自然の姿を楽しむのが好きな方かな。

もちろん、いろいろその時の気持ちやその場の雰囲気に合わせて、

自分らしい寄せ植えを作ってほしいです。


でもね...

園芸店に出かけて、大きな売り場にたくさんの花があると、

どうしてよいか迷ってしまうことも多いですよね。

そんな時は、売り場を1周して、お気に入りの花をまず一つ選びましょう。

その花は大きな花ですか?

大きな花だったのなら、合わせるのはその花より小ぶりの花で、

その花より明るさが穏やかなものを選ぶと、メインの花が活きてきますよ。

 

選んだ花の大きさが中くらいの花だったのなら、

同じような大きさか、やや小ぶりな花で、

色の明るさを同じにすると、全体で華やいだ雰囲気が出せますよ。

誰でもできる簡単な色合わせの方法は、色調を合わせる事。

様々な花の種類であっても、

赤系、青系などの色調を合わせ、色のグラデーションだけで揃えてみましょう。

優しい色あいの寄せ植えができるでしょう。


赤や黄、オレンジ、緑、青の組み合わせは、

原色系なので、賑やかで元気が出る色合いの寄せ植えができます。

色を入れすぎるよりかは、

3色程度にするとあまり悩まずに植物が選べると思います。

さて、色合いが決まったら、次は草丈です。

寄せ植えの鉢を足元に置きますか?

それなら、全体的に低めの草丈で揃えましょう。

上から見たときに全体が美しく見えますよ。


寄せ植えの鉢をスタンドの上に置きますか?

それなら、草丈で高低差をつけましょう。

全方向から眺めるのならば、草丈は中央を高く、周囲を低く抑えた構成にしましょう。

一方方向から眺めるのならば、草丈は後方を高く手前を低く抑えます。


寄せ植えの鉢を目線に近い位置に置きますか?

それなら枝垂れるような植物を選びましょう。

鉢から溢れ出る様な、こぼれる様な花や葉でゴージャス感がでます。


ナチュラルな雰囲気の寄せ植えを作りたい時は、

花や葉をわざとクロスさせるように

植物が自然と絡み合うような組み合わせを作ります。

寄せ植えとは個々の植物を寄せただけの鉢にならないように気をつけます。

鉢はお鍋と一緒。

寄せ鍋を作って、いい味が出せるかどうかです。

それぞれの植物が隣の植物とケンカせずに

お互いを引き立てあい、馴染みあっているかどうかなのです。


また、春の寄せ植えはこれから気温が高くなり、大きく成長します。

個々の株も大きくなる事を想定し、葉が茂り過ぎて風通しが悪くならないように、

根がしっかり張れる、余裕を持たせることが重要です。

株間を取り、株間にしっかり土を入れることが大切です。

大きな鉢に植え替えても、ポット苗を詰め込み過ぎて、

結局根が張れなければ、株は大きく育ちませんからね。


尚、気温の上昇は害虫が増加することも覚えておきましょう。

アブラムシやアオムシ、ネキリムシやナメクジも、

急激に増殖します。

害虫は発生する時期がわかっているからこそ、

事前に予防することもできるんですよ。

植え付け時に農薬を適切に使うことで、大切なお花を害虫から守りましょう。

おすすめの農薬はこちら


さあ!春らしい楽しいガーデンを作りましょう。

みんなで園芸店へGO-GO!

深町貴子