Slide 1 Slide 2

 


深町貴子(ふかまち たかこ)

神奈川県川崎市生まれ。
東京農業大学短期大学部卒業
園芸家
有限会社タカ・グリーン・フィールズ 専務取締役
グリーンショップ「GREEN LIFE TAKA」オーナー
東京農業大学短期大学部生物生産技術学科非常勤講師(バイオセラピー論・園芸療法概論)

現在、NHK「趣味の園芸 やさいの時間」講師のほか、NHK「あさイチ『グリーンスタイル』」コーナー講師としても活躍中。
http://www.taka-greenfields.com/site/

■今までのブログ一覧


「グリーンカーテンをつくろう…」

2014.05.15 Thu

こんにちは。深町貴子です。

ジャジャーン!!

秋に種まきしたソラマメが
たくさん実りましたよ。
初夏の季節に採れたてのソラマメをつまみにビール….
いいですねえ〜。
ここにくるまでには厳しい冬を経験しました。
今年は鉢が埋まるほどの大雪の日もありましたね。
でも、かならず春はやってくるのです。
春に咲いた花は、やがて空に向かって莢ができ、
今ではみんな重たそうに垂れています。
もうすでに10鞘は食べてしまいましたが、
まだ数えたら30鞘以上なっています。
たった一粒のタネから、たくさんの恵みを頂き、感謝です。
プランターでも十分楽しめますね。


種子植物ならタネを蒔けば、やがて芽を出し、
花を咲かせ、いつしか実りの季節を迎えます。
もしかしたら、収穫はそう多くないかもしれない…、
それでも必ず実ができます。
タネから生まれた命は決して無駄にはしないのです。
その環境に順応しようと植物が頑張り、
子孫を残すためにまたタネをつくるから…。


それはきっと人生と同じ様な気がします。
花を咲かせるためには、自分でせっせとタネまきしなくちゃね。
いつかきっと素敵な芽が出ると信じて…。
….次はなんのタネを蒔こうかな。


5月も半ばになると、強い日差しと夏日のような暑さがやってきます。
気温も25℃以上になれば、そろそろ日除け対策しないとね。
と言うことで、
今回はグリーンカーテンの紹介です。
またか…なんて言わないで。
確かにこの季節、どこもかしこもグリーンカーテンの記事ばかり?
でもさ、
グリーンカーテンを作るのと、収穫を楽しむのを両立させるためには、
ちょっとしたコツがいるんですよ。


基本的にカーテンを作るには、つる性植物を選択する必要があります。
ネットにたくさんの葉を茂らせなければなりませんからね。
人気はゴーヤー、パッションフルーツ、ヘチマなど、実がなるものです。
葉をたべるオカワカメやぬるっぱも丈夫で美味しいと人気です。
花の方が好きという方は、朝顔や夕顔、アサリナなどがおすすめです。


種まきや植え付け後、最初に伸びてくるのが親ヅルになります。
一番太くてしっかりしている茎のことです。
そのまま伸ばしても、生育上は問題ありませんが、
6〜8節目の間で親ヅルを切る作業をした方が、
花や実がつきやすくなるのです。
この茎頂部を切る作業の事を摘心と言います。
先頭(親ヅル)を切られてしまうと、先に伸びたい植物は…
わきから新しいツル(側芽)を数本伸ばしてきます。これが子ヅル!
ツルの本数が増えることで、葉の枚数も多くなり、
より多くの光合成の働きによって、花も咲かせやすくなります。
花数が増えることで、受粉率があがり、
実もつきやすくなる訳です。


おっとっと…ここで大事なポイント!
実がなると嬉しいのですが、しばらくは収穫を我慢です。
うえ〜ん…泣
大丈夫!後で収穫できるから…


今回はグリーンカーテンをまず作らなくては!
真夏になってもまだカーテンが出来ていないわ…というのでは、
日除けの意味が無くなってしまいます。
生長を止めている何か原因があるはずなんです。


早くから実をつけさせていませんか?
実がつくとそこに栄養が送られてしまうため、
新しいツルや葉の生長が緩慢になってしまうのです。
だからせめてカーテンの半分の高さまでは、
雌花は摘み取り、収穫を我慢しましょう。


水やりはしっかり出来ているでしょうか?
植物は葉が多くなればなるほど、水分を多く必要とします。
葉が小さくなり始めたら、水分不足や肥料不足のサインですよ。
毎日たっぷりと水を与えるようにしましょう。


摘心、摘花、水やり。
この3つの作業をしっかりこなせば大丈夫ですよ。


さらに美しいカーテンを目指すなら….
カーテンをつくる為のネットはピンと張ることです。
ネットが撓んでいると、風で動きやすく、
植物にとっては落ち着かない場所となりますので、
ツルや巻ひげがすんなり絡んでくれないのです。


また、毎日こまめに誘引をすることです。
誘引とはツルをネットに絡ませるときに、万遍なく葉が茂るように
人為的にツルを誘導することです。


最近の園芸店はグリーンカーテン用の苗コーナーを設けているところもあります。
まだまだ苗は流通していますので、暑くなる前に美しいカーテンをつくりましょう。
尚、マンションなどで天井に吊り金具などがない場所は、
支柱で四角いパネルをつくり、そこにネットを張って、スクリーン仕立てにするといいですよ。


ゴーヤーは緑色のまだ若い実を食しますが、
黄色く熟れたものも食べることができます。

苦みはあまり感じず、南国の甘い香りがします。
黄色くなってしまったものは、なるべく早く食べるようにしましょう。
すぐに黄色い外皮がボロボロと崩れてしまうのです。
タネは食べられませんが、タネの周りにつく赤い果皮がとても甘くて美味しいですよ。
ぜひ一度ご賞味あれ。
みんなでグリーンカーテンをつくって、
涼しく楽しい夏を迎えるための準備をしましょう。


追伸:今月のNHK趣味の園芸やさいの時間プランター栽培(深町担当)は5月18日
カラフルピーマン100個収穫を目指します。
ぜひ、みてね!


深町貴子