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深町貴子(ふかまち たかこ)

神奈川県川崎市生まれ。
東京農業大学短期大学部卒業
園芸家
有限会社タカ・グリーン・フィールズ 専務取締役
グリーンショップ「GREEN LIFE TAKA」オーナー
東京農業大学短期大学部生物生産技術学科非常勤講師(バイオセラピー論・園芸療法概論)

現在、NHK「趣味の園芸 やさいの時間」講師のほか、NHK「あさイチ『グリーンスタイル』」コーナー講師としても活躍中。
http://www.taka-greenfields.com/site/

■今までのブログ一覧


「秋苗を植えたい!もう大丈夫?その判断は温度計で….」

2013.09.15 Sun

こんにちは。深町貴子です。
やっと暑さが落ち着いて、よく眠れるようになりましたよね。
涼しい夜風と虫の鳴き声がさらに秋らしさを感じさせます。
でも、日中はまだ蒸し暑いですね。

つい先日、ホームセンターに行ってみたら、秋植え用の野菜苗が大量に並んでいました。
しかもかなり売れている…?
小売店は計画的に店頭に並べ、生産者さんも計画的に納品しています。
しかし、気候は計画的にはいきません。
そこが難しいところです。

店頭には苗だけでなく、こんな球根類もありました。


今はこんな少量でも購入できるのですね。
お庭の一角やプランター栽培者にとっては、
少量多品種で楽しめるため、とってもありがたい商品です。
でもね…タマネギやわけぎ、にんにくは、生育適温が15〜20℃。
今年は残暑が厳しい….この暑さは苦手なの。
25℃を超えると球根も腐りやすくなります。
購入する時に、球根がブカブカになっていないか、
良く見てから買いましょう。

栽培カレンダーには8月からOKと書いてありますが、大丈夫ですか〜?
それはあくまで目安…。地域によっても違います。
種まきや苗の植え付けには、それぞれ品種ごとに適温があります。
野菜の適温については、タネ袋の裏面をチェックしましょう。
発芽適温は発芽する時に最適な地温を意味し、生育適温は栽培に適した気温です。
まだ自分の庭や畑、ベランダの温度が高かったら、
涼しくなってから植え付けるなど、自分で調整してみましょう。



できればきちんと温度計を使って、計測してみるといいですね。

おお!園芸店で「デジマ」も発見!長崎県出身のジャガイモの種イモです。
暑さに強い暖地用だから、秋植えにも向くという訳です。
ジャガイモの植え付けは、タマネギやニンニクと違い、こちらは急ぎましょう。
なぜなら霜が降りる前に収穫しないと凍ってしまうからです。

初めての栽培なら、秋植えの種イモは半分に割ったりせず、
小さめサイズを丸ごと植えるのがおすすめ。
気温が高い今は、雑菌も繁殖しやすいため、傷をつけないほうが病気になりにくいのです。



種イモを植え付ける時には、イモの向きも注意してね。
写真のように芽がたくさん出ているほうが上です。
ジャガイモには芽が集中しているところがあって、
その反対にはおへそがあります。
おへそ側には芽が少ないので、すぐにわかりますよ。
ちょっとくぼんだおへそは、親株と細い茎で繋がっていた跡。
へその緒みたいね。

植え付けは、種イモの上に5cm程度の土がかぶるぐらいの深さに植えます。
地上に芽が出るまでは、根も出ていないので、水も与えません。
自然に任せておけば、ちゃんと地上に葉が出てきます。




秋ジャガイモの成長はビックリするほど早く、育てるのも簡単です。
ホッタラカシ園芸をするなら、ジャガイモはおすすめよ。

今、園芸店やホームセンターにある秋苗は
キャベツやブロッコリー、ハクサイ、芽キャベツなど
アブラナ科のものが多く出回っていますね。
アブラナ科の葉と言えばアオムシの大好物!
春に比べてアオムシの被害は少ないと言えますが、
蝶が近づかないように、しっかり防虫ネットをかけるようにしましょう。

ちなみにアオムシはアブラナ科以外のものを食べることはありません。
その習性を利用すると、
キャベツや白菜などの株の間に違う科目の野菜を植えることで、
蝶が卵を産み付け難い環境をつくることができます。
つまり害虫の被害を軽減することができます。
キャベツや白菜は葉が大きく広がるので、邪魔にならない野菜、
ニラやネギ、ワケギ、タマネギなどの単子葉植物がおすすめ。
土の中の微生物も科目が違えば大きく異なるので、
より多くの微生物が活発に育ち、病気の予防にも繋がります。

さあ、実際に苗を購入したら、早めに畑やプランターに植え付けましょう。
上手に苗を植え付ける時のポイントは、「やさしく、素早く」です。
野菜の苗はまだ幼い子供です。
根を乾燥させて傷めないように、作業は素早く行います。
できるだけ根鉢(ポットの中の土)を崩さず、そのまま定植します。
ポットから苗を取り出す時は、指で茎を挟んで表土を押さえてから、



逆さにして静かにポットから苗を取り出します。


植える場所には、予め植穴を開けておき、そこに苗を入れ、周りから土を寄せます。
(害虫予防で殺虫剤を使う場合はこの時です。植穴に一株につき1g程度入れておくと、
その後の管理が楽になりますよ。)



最後に割り箸を茎に対して斜めに差し込みます。
これを仮支柱といいますが、こうすることで苗がしっかり安定し、
根が早く活着するのです。

写真の苗はミニキャベツ。
苗のうちはこんなに頼りない感じですが、どうか大きくなりますように….
暑さに負けずに頑張れ〜