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深町貴子(ふかまち たかこ)

神奈川県川崎市生まれ。
東京農業大学短期大学部卒業
園芸家
有限会社タカ・グリーン・フィールズ 専務取締役
グリーンショップ「GREEN LIFE TAKA」オーナー
東京農業大学短期大学部生物生産技術学科非常勤講師(バイオセラピー論・園芸療法概論)

現在、NHK「趣味の園芸 やさいの時間」講師のほか、NHK「あさイチ『グリーンスタイル』」コーナー講師としても活躍中。
http://www.taka-greenfields.com/site/

■今までのブログ一覧


「日陰を上手に利用しよう」

2014.08.01 Fri

こんにちは。深町貴子です。
 

8月に入りましたね。

猛暑が続いておりますが、皆様いかがお過ごしですか。

夏休みはこれからという方もいらっしゃいますよね。

どこか涼しいところに逃げたいです。


しばらく留守をする場合は、

水やり対策をしてからお出かけしましょうね。

前回7月の15日にUPした白ゴーヤーは、収穫しました。

本当に真っ白!

いいなあ….色白な肌で…




     

とっても美味しかったです。

生のままサラダでいただきました!


毎日の植物への水やりも、暑いからと薄着でベランダに出てしまうと、

ほんの5分だというのに、顔も腕も…ありゃりゃ...真っ黒?トホホ…涙

バカンスならカッコいいけど、

毎年、私はベランダの水やりだけで、すっかり小麦色の肌です。

ちゃんと紫外線対策しないと!シミになる〜

日光の60%は赤外線。ほぼ熱線ですからね…

暑いときは薄着で肌を露出するよりも、

長そでを着て日光が直接肌に当たらないようにするほうが、

涼しいのですよ。

日焼け止めクリームも麦わら帽子や日傘だって、

私たちの身を守るために必要なアイテム。

おっそうだ!植物だってあるんですよ。すごい技が…


それは何?


実は、植物は光の吸収量を自分で調節できるんです。


植物にとって光はとても重要!

光合成のためには必要ですからね。

でも、強すぎる光は、植物に大きなダメージを与えます。

急激な環境の変化で、葉が焼けてしまうこともあります。


植物は強すぎる光から身を守るために、

葉の表面にワックスを厚塗りし、

自分で日焼け対策をしています。

日焼け止めワックスですかね?

ほらっ!夏の植物の葉は艶々していませんか?



 

例えば、バジルの葉が、夏によく育ってくれるけれど、

日当たりが良いところで育てると、

葉に艶が出ますが、厚くなって硬くなります。

香りは良いのだけれど、口当たりが悪いですよね。


でも、それは自己防衛本能。

光の吸収を自ら抑えているのです。


だから、柔らかくて大きな葉を収穫したいのなら、

半日陰にプランターを移動すればいいのですよ。

植物は光が弱くなったのを感知し、

より多くの光を受け取ろうと、葉を大きくし、

ワックスを薄くします。

つまり大きくてやわらかな葉をつくるようになるんです。


ん?

でもこの「半日陰」って、そもそもどんな環境のことを指しているの?

時々、「午前中だけ?午後だけ?」と尋ねられます。

半日、日が当たっている日照時間のことではありません。

半日陰とは、光の強さ、つまり明るさのことを言います。

ちょうど薄曇りの明るさと考えればよいでしょうか。

晴れた日にはくっきりとした影ができるのに対し、

薄曇りだと影があるけれど、ぼやけて見える程度の場所です。


でも、半日陰に移動できない場合はどうすればよいの?

その場合は園芸用の遮光ネットや寒冷紗を上手く利用しましょう。

半日陰とは遮光率45〜50%程度のもの。

夏の直射日光を避けたい植物に利用します。

60%なら曇り程度と一緒で、観葉植物や日陰好きな草花などに良く使います。



 

我が家のミョウガは、ほとんど日が当たらない半日陰で育てています。

美しい葉と香りのよい花ミョウガが収穫できます。

70%以上になるとしっかりと遮光したい陰性の植物に使います。


強い光は、同時に多くの赤外線を含むため、

暑さで植物が傷むことが多いです。

最近では赤外線カットできる遮光ネットがあるので、

利用するととても涼しく過ごせますね。

夏に涼しく過ごせると、野菜の収量が上がったり、糖度が高くなったりします。

それは植物が暑さで疲れない事で、美味しい野菜がとれるということなんです。


 

写真はミニネットメロン。

小さな簡易ビニールハウスと寒冷紗で育てています。

メロンは強い光と高温が必要なので、

夏でも元気に育っています。

もうそろそろ黄色くなるかな?

色がついて、勝手に実が落ちてきたら、食べごろです。

この時期、遮光ネットや寒冷紗、防虫ネットなどを上手に利用してみてください。


いつの日からか…

夏は日中の外出を避けるようにと指導されるようになりました。

子供のころは、汗をいっぱいかきながら、

山に海にと走り回ったものですが、

今は命の危険を感じます。

動物は日陰や涼しい場所に移動できますが、

植物は自分の足で移動はできません。

彼らは炎天下でじっと耐えているのです。

そのことをどうか忘れないでね。


次回のブログUPは、お盆のころになります。

きっとまだまだ暑いとは思いますが、

お盆を過ぎれば、夜風は涼しくなる頃と思います。

8月の下旬には秋冬やさいのタネまきが始まります。

もう、秋の準備ですね。

今から、この冬に育てるものを考えておきましょう。


ではまた!

みなさま素敵な夏休みをお過ごしください。



 

深町貴子