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深町貴子(ふかまち たかこ)

神奈川県川崎市生まれ。
東京農業大学短期大学部卒業
園芸家
有限会社タカ・グリーン・フィールズ 専務取締役
グリーンショップ「GREEN LIFE TAKA」オーナー
東京農業大学短期大学部生物生産技術学科非常勤講師(バイオセラピー論・園芸療法概論)

現在、NHK「趣味の園芸 やさいの時間」講師のほか、NHK「あさイチ『グリーンスタイル』」コーナー講師としても活躍中。
http://www.taka-greenfields.com/site/

■今までのブログ一覧


「眠るにも起きるにも寒さに当てることが重要」

2014.12.12 Fri

こんにちは。深町貴子です。
あ〜1年て早いわあ。



子供の頃は、クリスマスや大晦日、お正月…とイベントが続くこの月が大好きでした。
でも、いつの日からか?風のように駆け抜ける12月がなんだか慌ただしいだけの印象に…。
なぜって?….年賀状書きました?お歳暮からクリスマスプレゼント、お年玉の用意、大掃除にお節の準備…
大人になると12月が待ち遠しいどころか、恐怖を感じますね。(笑)
写真は月桂樹の剪定をしたので、枝をまとめてリースにしてみました。
一周綺麗にリングにすれば、月桂冠ですよ。
勝利と栄光のシンボルとされ、スポーツ選手が表彰台に立つと、頭に乗せてくれるのがコレ。
常緑の葉を使って継ぎ目のないリングを使うことで永遠を表すの。
幸福が永遠と続きますように….これがリースの起源という説があります。

あれ?途切れてるじゃない…。永年じゃないよ?葉が足りなかったなあ…
ま、ま、まずいのでは…?
大丈夫!ワイヤーを縮めるから…




ハイ!これで、我が家も永遠に幸福が続きますように…

今朝、我が家のルーフバルコニーは、鉢土に霜柱がびっしりと立っておりました。
寒さが本格的になったのだな…と実感。10月下旬から何度か寒い日もありましたが、
今年の秋はずいぶん長く感じましたね。
我が家の隣は森なので、ちょうど今から落葉が始まり、枯葉が舞ってすごいのです。
毎日バルコニーには枯葉の山がたくさん出来ています。
毎年この枯葉はこれから越冬する植物たちの布団替わりになるので、とっておくのです。
腐葉土づくりにも使用できますしね。

皆さんのガーデンにも越冬する植物たちがいると思います。
彼らはどのようにして寒い冬を屋外で乗り越えるのでしょうか?それは寝る事。
短日と気温の低下で休眠が始まります。野菜でいうと、秋に植え付けて冬を超え、収穫期が春から初夏のものです。
みんなが大好きなイチゴもそうですね。イチゴが休眠に入るには短日と-5℃〜5℃の低温に当たる必要があります。
地域によりますが、ここ数年イチゴの休眠時期がだんだんずれてきているなあと感じます。
温暖なのでしょうね、なかなか寝ないイチゴは12月に入っても活動を続け、花まで咲いてしまいました。
大きなイチゴの花は、とてもきれいでかわいらしいけれど、この花は摘みましょう。



え〜!これから実になるのに?かわいそうじゃないか…
と、よく言われます。
残念!これからさらに気温が下がるので、花が咲いても授粉が出来ず、実になりにくいのです。
このまま花を咲かせては、株にとっても負担なだけですから、早めに取り除きましょう。
花が咲いたり、青々とした新しい葉が展開しているうちは、休眠していませんね。

初夏のイチゴ狩りを楽しむためには、しっかりと一定時間以上の寒さに当たてないと眠ることも、
起きることもできません。
つまり春に暖かくなったから目が覚めるのではなく、低温の積算時間で目覚ましがなるのですね。
もちろん品種によっても寒さに当てる時間は違いますが、休眠こそが春の花数を決めているので、
かわいそうだからとカバーをかけたり、室内に持ち込まないようにしましょう。



寒い冬は低温にあたり休眠する…でも、しない野菜もあります。
それは室内栽培の野菜です。暖かい室内や窓辺で元気に育つ野菜たち。
屋外のように、最初からスクスクとはいきませんが、葉が増えてこんなふうに根がしっかり伸びてくると
急に成長が早くなります。写真の野菜はレタス。観賞魚用の水槽と台所スポンジで育てています。
肥料はアグリオさんのベジタブルライフAのみです。水耕栽培用の液体肥料だから、薄めて溶液をつくり、
時々水を交換するだけなので、楽にお部屋で野菜づくりが楽しめます。
日に日に根が伸びていく姿は、地上が大きくなるよりも、感激します。
根が真っ白だと、健康なんだと見てわかるところが面白いですしね。

ぜひ、今年の冬はお部屋で水耕栽培を楽しんでみてはいかがでしょう?
コタツに入りながら野菜づくりができるなんて、面白いとは思いませんか?
冬の園芸作業は静かなものです。一緒にお休みして春まで体を休め、暖かくなったらまた屋外で楽しみましょう。
家庭園芸は無理をしないこと!寒空で風邪をひいても、腰を痛めてもいけません。
だったら、ミカンを食べながら…テレビを見ながらでもできる、園芸遊びというのかな…
家族みんなで、植物の不思議に感動してくださいな。

水耕栽培については、また時間に経過をお知らせしますね。
ではまた!







深町貴子