Slide 1 Slide 2

 


深町貴子(ふかまち たかこ)

神奈川県川崎市生まれ。
東京農業大学短期大学部卒業
園芸家
有限会社タカ・グリーン・フィールズ 専務取締役
グリーンショップ「GREEN LIFE TAKA」オーナー
東京農業大学短期大学部生物生産技術学科非常勤講師(バイオセラピー論・園芸療法概論)

現在、NHK「趣味の園芸 やさいの時間」講師のほか、NHK「あさイチ『グリーンスタイル』」コーナー講師としても活躍中。
http://www.taka-greenfields.com/site/

■今までのブログ一覧


「花芽はいつできる?」

2015.3.18 Wed

こんにちは。深町貴子です。

一雨ごとに春らしくなっていきますね。
今週の最低気温は10℃以上のようです。
そろそろ家のなかに居る植物を出したいものです。
でも、来週はまた5℃以下になるとか?
やっぱり桜が咲くまでは油断できませんね。

そうだ!
先日紹介した水耕栽培用のミニトマトは、
その後スポンジの下からも根が出てきました。




なので、水を張った容器にお引越ししました。
容器は何でも良いです。
手軽なペットボトルでも良いですよ。



私は消毒しやすいガラス製を使っています。
小さなお魚用の水槽です。
清潔さと透明度があって、綺麗だからです。
水は水耕栽培用の養液を作って入れてください。



せっかくのガラスの容器ですが、
栽培中は根のために周りを覆って遮光します。
だったら、最初から不透明な容器の方が良いのでは?
確かにそうなのですが、
私は根っこを横から見たいのです。
理由はそれだけです。


トマトは双葉からやがて本葉が出てきます。
本葉からは切れ込みの入った葉が、互生で展開していきます。



写真は本葉が3枚ついています。
苗づくりでとても大事な時期がココ。
目には見えませんが、第一花房の花芽がこの時に分化します。
この時の環境や栄養状態によって、
花の位置や花数、実の大きさなど、すべてが決まってしまうの。
例えば、高温で栄養不良、光が不足すると花数が少なくなります。
一方、低温で栄養条件がよいと花数も多くなり、多収穫になるの。
三つ子の魂百までということわざがあるけれど、
ナス科にとっては、本葉3枚のときの環境がとても重要ということ。

カボチャなどの雌雄別々の花が咲く苗もそうなのです。
幼苗の時に短日、低温を経験して栄養成長を抑えると、雌花が早く多くつく性質があります。
一方、長日、高温で育てると、雄花が多く咲き、雌花がなかなかつきません。



見てください。このカボチャの苗…!
雌花がかわいい!とても上手くいきました。
まだ苗なのですが、たくさんの花芽がついています。
しかも全て雌花…

ん?いいのか?悪いのか?

へへへ…笑
ダメですね。

雌花だけ多く咲いても、受粉には雄花がひつようだもの。
この苗は、大きく生長し、つるを伸ばしていっても、
ずっと雌花しか出ない可能性があります。

う〜ん。
難しいなあ。
バランスよく花を咲かせることって…
実際には人間の都合ですものね。
まだまだ勉強しなくちゃ…と思う深町でした。






深町貴子