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深町貴子(ふかまち たかこ)

神奈川県川崎市生まれ。
東京農業大学短期大学部卒業
園芸家
有限会社タカ・グリーン・フィールズ 専務取締役
グリーンショップ「GREEN LIFE TAKA」オーナー
東京農業大学短期大学部生物生産技術学科非常勤講師(バイオセラピー論・園芸療法概論)

現在、NHK「趣味の園芸 やさいの時間」講師のほか、NHK「あさイチ『グリーンスタイル』」コーナー講師としても活躍中。
http://www.taka-greenfields.com/site/

■今までのブログ一覧


「花盛りになると虫も活動開始」

2015.4.9 Thu

こんにちは。深町貴子です。

今年の桜はいっきに咲いて、強風で早くに散ってしまいましたね。
今年はゆっくり花見もできませんでした。
皆さんはいかがでしたか?




ありがたいことに我が家のベランダからは桜の木が見えます。
いいでしょ〜
窓を開けると花吹雪が部屋の奥まで舞い込んできます。
桜の花を見ると、気分がウキウキするのはなぜなのでしょう。
年度が替わり、新たなスタートをきる!
気持ちをリセットするきっかけが桜なのかもしれませんね。

桜の見頃は短いけれど、草花は違います。
冬から春にかけて長い間咲くパンジー、ビオラも、今が一番の花盛り。
鉢や花壇からあふれるように花が咲いています。



花壇から花を摘んで食卓に飾ると、
庭とお部屋が繋がって、園芸で生活を楽しんでいると実感します。
大きな花瓶がなくても、
立派な花茎がなくても、
小瓶に草花をストンと挿すだけで十分、
優雅な気持ちになりますね。



さて、花盛りの理由は急に気温が高くなったせいですが、
盛りなのは花だけではありませんよ。
昆虫もいっせいに動きはじめました。
今まで冬眠していたアリ達もちょこちょこと歩いているのを見かけるようになります。

薔薇の新芽の先に蕾がついたのに、緑色の虫たちがびっしりとついています。
緑色の虫って?
あ….あいつか、アブラムシね。

今、ここで退治しなければ、1週間後には大変な数になっているはずです。
見過ごすわけにはいかないのです。



そうだ!たしかさっき…テントウムシがどこかで遊んでいたなあ〜
近くをよ〜く探してみると、モッコウバラの上で遊んでいるナミテントウムシを発見!
すぐさま、アブラムシだらけのバラの葉の頂点に置いてみました。

すると…



テントウムシが近くに降り立った途端…
アブラムシの悲鳴が聞こえたような?
ワーッと、すごい勢いでアブラムシが下方へ逃げていきます。
へ〜こんなに早くアブラムシって動くんだ?と感心するほど…。
普段、アブラムシは一カ所に留まり、基本的にその場を離れません。
ずっとストローのような口を挿して、汁を吸い続けているからね。

ところがテントウムシが現れたとたんにパニックになり、
ボロボロっと枝からダイブして落ちてしまう虫さえいました。
アブラムシはテントウムシにみるみる食われていきました。

残酷なようですが、自然界の中では当たり前。
一種類の昆虫が異常発生すれば、かならずその捕食者が現れ、バランスがとれています。
やがてここにクモやカマキリもかけつければ、今度はアリが応戦することになる。
昆虫の小さな世界でも生きるための戦いが日々起きているのです。

テントウムシはアブラムシを食べてくれる益虫ですが、様々な種類がいます。
有名なナナホシテントウムシ以外に、ホシの数が違うものから色が違うものまでいろいろです。
しかしなかには害虫と呼ばれる草食性、雑食性テントウムシがいます。
う〜ん。どれが益虫でどれが害虫かわからないなあ〜

テントウムシは益虫か害虫か?その判断は背中の艶をチェック!
ザックリ覚えるなら、背中がツルッと光沢がある虫が益虫で、 毛が生えて光っていない虫が害虫と覚えてしまいましょう。
例えば28個のホシをもつニジュウヤホシテントウムシは、背中に艶がありません。
野菜の葉も食べてしまう害虫ですので、ニジュウヤホシテントウムシは必ず駆除を。
テントウムシを発見したら、よく観察してみましょう。

これからもっともっと様々な昆虫が活動し、増えていきます。
虫を見かけたら全て害虫だ!と言わずになかよく付き合えるといいね






深町貴子