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深町貴子(ふかまち たかこ)

神奈川県川崎市生まれ。
東京農業大学短期大学部卒業
園芸家
有限会社タカ・グリーン・フィールズ 専務取締役
グリーンショップ「GREEN LIFE TAKA」オーナー
東京農業大学短期大学部生物生産技術学科非常勤講師(バイオセラピー論・園芸療法概論)

現在、NHK「趣味の園芸 やさいの時間」講師のほか、NHK「あさイチ『グリーンスタイル』」コーナー講師としても活躍中。
http://www.taka-greenfields.com/site/

■今までのブログ一覧


「秋は豆まき!…」

2013.11.01 Fri

こんにちは。深町貴子です。
日中は汗をかくような日もまだありますが、朝晩はさすがに冷えてきました。
長い残暑の後にやってきた台風によって、いっきに北から秋が深まりましたね。
山から徐々に紅葉が降りてきて、「我が家ももうすぐだなあ…」と
公園の木々や街路樹たちを見ていて思いました。


我が家ではミニトマトがまるでカボチャの様な色になっています。
緑色のミニトマトを収穫して、外のテーブルの上に飾っておくのです。
するとこんな色になるんですよ。
ハロウィンのカボチャの代わりです。
秋ならではの楽しみ方の一つですね。



さて今回はと言うと….ソラマメの話。
実は私…大のソラマメ好きなんです。
食べるのも好きですが、その姿に魅了されてしまって….(笑)
絵本でありましたよね…大きなふかふかのベットで、
スヤスヤと眠るソラマメ君の姿…かわいい〜

それにね…春に天を指す莢の姿を見ると、
「おー!」と、拳を突きあげているようにも見えて
なんだかやる気が湧いてくるんです。
空に向かって莢ができるから、空豆っていうんですよ。
ご存知でしたか?
たくさんの莢が次々と空に向かう姿を
ぜひ!育てて、見てほしいな〜。



<写真はイタリアの生食用ソラマメ。莢の長さが30cmもあるんです>

ソラマメの種まきは、高冷地・冷涼地は春にしか蒔けませんが、
一般地は秋にタネを蒔く秋まきと、春にタネを蒔く春まきがあります。
どちらの蒔き時を選んでも、初夏のころに収穫します。
でも収穫量は栽培期間の長い秋まきの方が多く取れるのですよ。
めずらしいものや好みの品種を選べるのが種まきの良さ。
毎年、品種を変えて味の違いを楽しむのも良いですよね。

ではソラマメの種まきについて、お話ししましょう!
種まきの前にまず、タネの黒い部分を探します。




この部分を「おはぐろ」と言います。(写真:赤丸の中)
おはぐろ(お歯黒)とは江戸時代の既婚女性が歯を黒く染める化粧法のことで、
ソラマメの黒い部分が「お歯黒」と似ていることから、
そう呼ばれるようになったとか….

タネを蒔くときには、この「おはぐろ」を下にして
タネ全体の3/4を土の中に挿します。
土の上に1/4程度見えているほうが良いのです。
こうすることで、芽が出たときに地上までの距離を短くし、
根は下に芽は上に伸びやすくなり、


発芽しやすい状態をつくりあげることができます。
タネは芽が出てくる位置や方向が、予め決まっているのです。
もともと、おはぐろがあるほうがタネに厚みがあり、
自然界に於いても、土の上にポトンと落ちた時に
重たいほうが土に潜るのだと思います。



そういえば、ソラマメのタネって、とても大きいですよね…
この大きなタネの中身はほとんどが子葉です。
タネの中にある最初の葉ということになりますね。

大きな子葉は養分がたっぷり入っています。
親からもらったお弁当が、とっても大きいってことなんですよ。
栄養満点だからこそ、たくさんの動物が狙っています。
発芽する前に鳥や土壌中の細菌、虫たちに食べられないようにしてください。

最初の葉というと、発芽して…
土の上でパカッと開く双葉のイメージがあると思うのですが、
ソラマメはこの葉が栄養貯蔵庫の役割なので、
土の中に留まり、ある程度植物体が大きくなるまで、助けてくれます。
葉がある程度増えると、光合成で自立できるようになり、
子葉は縮んでその役割を終えます。

つまり、種まきの土は栄養たっぷりな必要はなく、
むしろ無肥料で排水が良い土の方が、種まきには向いています。
園芸店に行くと種まき用の土が売っていますので探してみてください。
自宅に野菜用培養土(元肥入)しかない場合は、
水のやり過ぎと、タネを深植えしないように注意すれば大丈夫です。

種まきはポリポットに2粒ずつ蒔き、
発芽後、良い苗を選んで間引きをし、1ポット1本にします。


本葉2枚以上になったら大きな鉢に定植します。
鉢の大きさは9〜10号。
鉢底には排水と通気性を良くするために軽石などを敷きましょう。
土は野菜用培養土です。
10号鉢で15〜20ℓの土が入ります。

 

ソラマメは冬の間も元気に育ち、株の付け根から側枝が多数出てきます。
その場合、茎の太いものを5〜7本選び、
細いものは株元からハサミで切ります。

 

追肥は春に花が咲いてから与えます。

私もソラマメ作りますので、続きはまた今度…
11月は急激な気候や気温の変動が激しいですよね。
どうかみなさま、お身体ご自愛ください。
ではまた!