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深町貴子(ふかまち たかこ)

神奈川県川崎市生まれ。
東京農業大学短期大学部卒業
園芸家
有限会社タカ・グリーン・フィールズ 専務取締役
グリーンショップ「GREEN LIFE TAKA」オーナー
東京農業大学短期大学部生物生産技術学科非常勤講師(バイオセラピー論・園芸療法概論)

現在、NHK「趣味の園芸 やさいの時間」講師のほか、NHK「あさイチ『グリーンスタイル』」コーナー講師としても活躍中。
http://www.taka-greenfields.com/site/

■今までのブログ一覧


「やさいの季節」

2015.5.11 Mon

こんにちは。深町貴子です。

ゴールデンウィークは皆さん、どこかにお出かけしましたか?
お家でのんびり…
いやいや…ずっと仕事で…なんて方もいらっしゃったでしょう。
お疲れ様です。
私もほとんど仕事でしたが、
合間をみて、ひたすら野菜の苗を植え付けたり、種まきしたりしておりました。
毎日強い日差しですね。季節は初夏。




我が家では真っ赤なイチゴが宝石のようにキラキラと輝いています。
近くによると甘い香りが漂っています。
もう収穫しなくちゃね。
それにしてもかわいいなあ〜
人工授粉ではなく、自然受粉でもきれいな形のイチゴは作れます。
その理由は、我が家にたくさんの昆虫が飛び交っているからです。
蜂やアブ、アリも含め、様々な虫たちがイチゴの花に遊びに来ていました。

たまにやってくる大きな羽音のマルハナバチ。
モフモフの体毛とずんぐりむっくりとしたその姿は、癒されるんだよね。
ちょっとね…音が怖いけれど、ガーデンにはなくてはならない存在です。

子供が小さいときには、蜂だ!蜂だ!と大騒ぎして、逃げ回っていましたが、
「この蜂はいいい蜂さんなんだよ」と蜂のお仕事を説明すると怖がらなくなり、
「虫さんに手伝ってもらっているのね」と、嫌々ながらも理解している様子でした。
虫を集めると言えば…
我が家に珍しい花が咲きました。



なんのお花かわかります?

この花はこんにゃくです。
3〜4年に一度花が咲きます。
花を咲かせてしまうと、こんにゃく玉の栄養を持っていかれて、
玉が縮んでしまうので、本来は咲かせる前に収穫しなければなりません。
私は3年前から育てています。
今年こそは秋に掘り上げてこんにゃくをつくろうと思っていたのに、
予定が狂った〜

ちなみにこの花も多くの虫を集めます。
ただ、ちょっと問題が…
とっても臭いのです。
この腐敗臭に似た臭いで、ハエなどを呼びます。
ハエは筒状になっている部分に入り込みます。
ほらココの部分です。



よく見てみると、一番奥が花序(白い部分)になっていて、
虫が入り込んで授粉を助けているのです。
食虫植物みたいにグロテスクですが、面白いでしょ〜




この時期のベランダは賑やかで大好きです。
昔に比べどこのホームセンターも園芸店も野菜苗が充実しているので、
栽培はずいぶんと楽になりました。

ベランダでは、どうしても壁に沿って植物を置きます。
床にただ置くのではなく、「この位置の環境はどうだろう?光の強さは?日照時間は?」
置き場所によって環境は微妙に違います。
光の当たり具合を見ながら、生育状況を確認し、置き場所を決めていきます。



もちろん見た目も大事です。
プランターに色を付けたり、素材や形を替えたり、
私の場合は、ほぼ実験ですけれどね。
プランターの素材によって、気をつけることは何か?
そんな事を考えながらベランダ菜園を楽しんでいます。

ブリキ素材のプランターは見た目もお洒落ですが、気温が高くなると容器が熱くなり、
お鍋で土を温めている様なもの。
これからは半日陰に移動させましょう。
軽い素材の紙のポットは、蒸れにくく良いのですが、水切れを起こしやすいです。
灌水量や頻度を考えるようにしましょう。
陶器や素焼き素材のポットは、重たいのであまり動かさなくよい場所に置きましょう。
などなど、実は植物に合わせた栽培の仕方ではなく、容器に合わせた栽培の仕方も必要なのです。プランター栽培でしか考えられないですよね。
私にとってはこの奥の深さが、プランター栽培の魅力なのです。

さて、こんにゃく玉はどうなっているのか?
次回をお楽しみに〜






深町貴子