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深町貴子(ふかまち たかこ)

神奈川県川崎市生まれ。
東京農業大学短期大学部卒業
園芸家
有限会社タカ・グリーン・フィールズ 専務取締役
グリーンショップ「GREEN LIFE TAKA」オーナー
東京農業大学短期大学部生物生産技術学科非常勤講師(バイオセラピー論・園芸療法概論)

現在、NHK「趣味の園芸 やさいの時間」講師のほか、NHK「あさイチ『グリーンスタイル』」コーナー講師としても活躍中。
http://www.taka-greenfields.com/site/

■今までのブログ一覧


「何度トライしても、飽きないのが園芸」

2015.7.13 Mon

こんにちは。深町貴子です。

春から育てていたキャベツは
1.5Kgの葉がぎっしり締まったよいものが収穫できました。
いつもは穴が多いのに、今年はとてもきれいなものが出来たので、
自分でもびっくりしています。
防虫ネットも最初からしっかりとかけていたので、
アオムシに食べられることはありませんでした。
そのかわり、生育前半はずっとナメクジと戦っていましたので、
ホトホト疲れました。
まあ、その甲斐あっての事なのでしょうね。




植物は正直です。
手をかければその分、必ず応えてくれます。
手をかけるというのは、日ごろの作業を怠らない...と言うことです。

作物の栽培は天候に左右されやすく、
良い年もあれば、悪い年もあります。
そうです。
必ず、ご褒美となる年があるものです。…きっとね。
その喜びがあるからこそ、飽きずに続けられるのかもしれません。
いつも上手にできる訳ではない…
経験があっても通用しない時があるからこそ、面白い。
毎回初心にかえって作物と向き合うことが大切なのですね。

さて、今年の梅雨は各地で長雨と日照不足で、
作物には大きな影響が出てきました。
我が家も長雨が続き、ちょっとベランダに出られずにいたら、
あっという間に虫や病気が発生し、穴だらけに…。
「これが自然の厳しさ」と理解することもまた、
大切な経験ですかね…

そんななか…
野菜の中で水が好きなナスは、この梅雨で大豊作となりました。



ナスはあまり成らせすぎると、体力を消耗して、落花に繋がります。
できるだけ若いうちに収穫をするように心がけ、
余計な枝は切り、株を疲れさせない努力をしましょう。
肥料を与えたところで、長雨のせいで、ほとんど流れてしまいます。
肥料は晴天が続くときに与えましょうね。

最近、この長雨のせいなのか?よくわかりませんが、
黄色いテントウムシを見かけます。



体の小さなテントウムシなので、とても珍しく見つけにくい昆虫なのです。
このキイロテントウムシは菌を食べて生活しています。

菌を食べる?

そうなんです。
みんなが良く知る「うどん粉病菌」や「葉かび病」など
葉の表面に付着した菌を食べるのです。
みんなが良く知る「うどん粉病菌」や「葉かび病」など
園芸家にとってはスーパーヒーローです。
でも、作物が病気になっていないと見かけない昆虫。
よく見かけるということは…
つまり、病原菌が発生しているという証になってしまいますね。

もしも、薬剤を使っていれば、この虫に出会うことはないと思います。
我が家では極力薬剤を使わないので、
こうした昆虫と巡り合えるのでしょうね。
今年は彼らがコツコツ食べて繁殖してくれたおかげか?
我が家の作物の病気の被害は、少なかったように思います。

コンクリートに囲まれ、プランターで育てている植物しかなくても、
小さな自然がちゃんと生きているということでしょうか。

日本は四季がある国なので、
作物によって栽培できる時期が自ずと決まってしまいます。
自然環境下でトライすれば、1年のうちにたった一度しかチャンスがないのですから、
5年栽培経験があっても、一つの作物でたった5回しか育てたことがないのです。
一度失敗すれば、来年まで待たなければなりません。
それでも、またトライしたくなるのは、
「育ててみたい」とうより「食べてみたい」という、
食いしん坊的な気持ちがあるからかな…笑

収穫できたら、今度は「もっとたくさん」「もっと美味しく」と、欲が出てきます。
誰かに「美味しいね」と言われれば、モチベーションも上がります。



そうした意味ではこのメロン…。
なかなか甘〜いメロンにならず、普通の味で終わっているので、
今年こそは「甘いメロンをつくりたい」と、栽培方法を模索中です。
さあ、これからどうなるかな?
優しく見守りながら、厳しく育ててみようと思います。






深町貴子