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深町貴子(ふかまち たかこ)

神奈川県川崎市生まれ。
東京農業大学短期大学部卒業
園芸家
有限会社タカ・グリーン・フィールズ 専務取締役
グリーンショップ「GREEN LIFE TAKA」オーナー
東京農業大学短期大学部生物生産技術学科非常勤講師(バイオセラピー論・園芸療法概論)

現在、NHK「趣味の園芸 やさいの時間」講師のほか、NHK「あさイチ『グリーンスタイル』」コーナー講師としても活躍中。
http://www.taka-greenfields.com/site/

■今までのブログ一覧


「寒くなっても、お部屋の中で園芸ライフ」

2013.11.15 Fri

こんにちは。深町貴子です。
今日は先週までの気温と大違い…木枯らし1号が吹いたとたんに、真冬並みの寒さ!
今年は紅葉もあまり美しくない所が多いとか…。
葉先が枯れたり、色味が悪くなったりする理由は、
長い夏の影響で樹木が疲労し、かなり葉が傷んでしまったところに
急激な寒さに当たったからだそうです。


近所の林の紅葉はイマイチでしたが、
我が家のクランベリーの葉は真っ赤に紅葉し、
赤くなった実がたくさんついていました。

もう、冬か…
考えてみれば、来月は師走ですもの。
人間も急激な気候の変化に体がついていけませんね。
皆さん、体調は大丈夫ですか?

さて、唐突ですが我が家の冬はとってもとっても寒い!
早くからストーブを出しておかないと、危険な家なんですよ。
外壁がコンクリートだから、屋外よりも室内の方が寒くなるぐらい….
バルコニーの植物もほとんどが凍結します。

寒くなると、リビングからすぐに出られるベランダでも、
その1歩がなかなか踏み出せなくなりますね。
私は寒がりなので、とくにそうかも?

では、寒くなると何も園芸をしないの?
というと、違うんです。
暖房をつけ始めると、室内が暖かくなるので、
私は部屋の中では急に行動的になり…
なんかやりたくなってしまうんですよ。
寒い冬に室内で、工夫しながら植物を育てるのが
面白くて好きなのかもしれません。

冬場は何と言っても、温度管理が大事です。
例えば、熱帯性の観葉植物は生育限界温度が高いので、
室内で育てていても寒さで枯れてしまうことがあります。
24時間、一定の温度で暖かいならば問題ありませんが、
夜間の寒さで枯れてしまうことがほとんどです。
それは夜の間に、暖房を切るご家庭が多いからです。
なかなか難しい話ですよね。



屋外の植物に秋の実りが始まる頃から準備を始め、
強制的に休眠させるのがいいですよ。
どうやって休眠させるかというと、
水分を極力与えないようにすることです。
急に水を与えなくすると、水切れを起こして枯れてしまいますので、
気温の低下とともに徐々に水分量を減らしていくのがポイントです。
すると、やがて植物は活動を休止します。
暖房付けているし、可愛そうだから….と真冬に水を与えると、
休眠から目覚めさせ、翌日には枯れてしまうことが多いです。

熱帯性の観葉植物は土を乾燥気味に保つと、休眠させることができます。
休眠すれば、呼吸や蒸散量も抑えられ、
水分の吸収ができないので光合成生産量も落ち、結果…成長が止まります。
また、体(根)が濡れていないので、寒さの影響を受けにくくすることができます。
眠っている子は、暖かくなるまで静かに見守り、
遅霜の心配が少ない八重桜が咲くまで給水を控えるようにしましょう。

さて、観葉植物は冬場の管理として、
もう少し積極的になんか楽しみたいですよね?

私が冬の園芸ライフで、まずすることが1つあります。
それは、コップの中に水を入れ、その中に温度計をいれて観察すること。

なぜかというと…
水は熱が伝わるため、暑さ、寒さの影響を受けやすいものです。
でも、植物を育てるなら、どうしても水やりは欠かせなくなります。
そこで、水温と室温の両方を見るようにするのです。



写真の温度計は観賞魚用の水温計です。
水は周りの環境を受けて変化しやすいものです。
気温が下がれば水温も下がるし、
日当たりの良い窓際に置けば、日中の水温は上がりますね。
私は温度計が見えるようにガラスコップの中にいれていますが、
容器の材質もガラス、鉄だと、より暑さ寒さの影響を受けやすく、
シリコン、発泡スチロールなどの容器を使うと、熱が伝わりにくいことが言えます。
つまり冬に植物を育てる上で、プランターの材質や水分量は、とても重要なのです。
場所によって環境が違うので、温度計を使って現状を把握するのが必要ですね。

と、いうことで….見てみて〜!
我が家の窓際にはこんなものが育っています。




何コレ?
スポンジ??
そうですよ。
100円ショップで買い過ぎた台所スポンジや
園芸用の吸水性スポンジ(花のアレンジメントに使うオアシス)に、
直接タネを蒔いて、水を与えると芽が出てきます。
芽が出ているのは小松菜の双葉です。


レタスだったら、20℃前後の室温に水温が17℃なので、発芽適温!
翌日には根が出てくるのが見えます。
これをお弁当サイズの容器の底に穴をあけ、
グラグラしないように周りにパーライトやゼオライト、ハイドロボール、
小石など、水に強いものを詰めます。
これが培地となり、下に溶液を溜めるタンクをつくります。
それをお弁当用の保冷バックに入れています。
こうすると、断熱と、根に光が当たるのを防ぐ効果を得られます。
しかも保冷バックを着せ替えすれば、カワイイ!



つまりこれで野菜を育てています。
水温や室温が高いと生長が早くなり、低いと生長が鈍ります。
温度計さえあれば、調節は自分でできます。
ここは北向きの窓なので、1日中日光は入りませんし、寒い!
けれど明るさだけはあります。
光が足りない分は、照明を当てて補っています。
育成ランプを使えば一番良いのですが、身近にあるもので代用したいので、
私が使っているのは一般的な蛍光灯ランプです。


電球は熱が放出されてしまうので、避けたほうが無難です。
ベストはLEDの植物育成用ランプですね。
お金に余裕があったら、買いたいな….。

本当は土で育てるのが、植物にとって良いし、育てやすいことは確かですが、
室内で清潔に見えるし、水耕栽培だと根が伸びてくる楽しさもあります。
水耕なら洗って何度も使えるので、連作障害もありません。
いつでも好きな時に始められ、片づけるのも楽ちんです。

肥料はどうするの?

肥料は水耕栽培専用の肥料を使いましょう。
近頃は一般家庭でも水耕栽培が人気なので、
ホームセンターやインターネットで、簡単に購入できます。
科学性質上の問題から2つの液を混ぜて使うものがほとんどですが、
おすすめは大塚アグリの水耕栽培用液体肥料ですね。
1液で済むので使いやすいし、希釈を変えれば土耕栽培にも使えます。


酸素は?

根は水だけを必要としているのではなく、呼吸しているので酸素が必要です。
電源が近くにあれば、観賞魚用の酸素ポンプを入れるとベスト!
でも、我が家はないので….
小さな容器でこまめに水替えを行ったり、手動式でブクブクと酸素を入れるだけです。
でも、ちゃんと育ちますよ。

この冬..ぜひぜひ挑戦してみてくださいね。