神奈川県川崎市生まれ。 東京農業大学短期大学部卒業 園芸家 有限会社タカ・グリーン・フィールズ 専務取締役 グリーンショップ「GREEN LIFE TAKA」オーナー 東京農業大学短期大学部生物生産技術学科非常勤講師(バイオセラピー論・園芸療法概論)
現在、NHK「趣味の園芸 やさいの時間」講師のほか、NHK「あさイチ『グリーンスタイル』」コーナー講師としても活躍中。 http://www.taka-greenfields.com/site/
こんにちは。深町貴子です。 空梅雨かと思いきや、最近になって大雨が連続して降るなど、各地で大きな被害が出ていますね。 皆様の地域が心配です。 5月の連休に植えた夏野菜たちも、大きく成長したことでしょう。 我が家のトマトも1段目の果房がやっと色づき始めました。 ピカピカと光ったトマトは、少しずつ色が変わっていきます。 ほんのりとオレンジに…やがて赤く…. まるで金色ね。 ああ、またこの瞬間に出会えた事に感謝! なんて素敵な色なのかしら。 野菜の色は、時間とともにどんどん変わってしまいます。 この色が好き!と思ったら、写真を撮っておくといいですよ。 その美しい色は、今だけなのですから。 他の野菜達はどうかしら? キュウリやナスは、早め早めのタイミングで収穫しましょう。 遅れると果実が大きくなるだけではなく、株へのダメージが大きくなります。 ナスもキュウリもピーマンも、どんどんなっています。 植物が果実をならせるのは大仕事。 疲れてしまうと、体力が回復するまで時間がかかり、 次の花を咲かせるのをやめてしまうのです。 トマトは完熟で収穫できますが、キュウリやナスの果実は若どりが基本です。 なぜって…? 完熟まで待っていたら、果実の中に大きなタネができてしまうし、 キュウリなんて、どこまでも大きくなってしまいます。 油断するとヘチマのようなサイズになることも…。 私はこうして毎日、目的がなくてもベランダをウロウロしています。 「何かないかなあ〜」….と、まるで自分がアリみたいです。 ん?ベランダの隅でふと、足を止めました。 やけにクロアリが集まっている場所がありました。 それは… 支柱やネットも張らず、そのままにしていたパッションフルーツが 気がつけば長く茎を伸ばしていました。 葉柄の葉の付け根にあるコブのようなもの。 なめると甘いです。これは蜂やアリを呼ぶための蜜腺。 「おいでおいで〜」と植物が呼んでいるのです。 ほら、いるいる…。 つぼみにも蜜腺があります。 なめている様子がよくわかります。 パッションフルーツは、別名クダモノトケイソウ。 トケイソウと同じく、大きくて派手な花が咲きます。 アリが苦手な私にとっては、なんとか退治したいところですが、 これだけ集めているのを見ると、植物はアリを求めているのがよくわかります。 退治しちゃダメなのだろうなあ…。 でも、どうして蜂やアリを呼ぶの? それは食害する虫を寄せ付けないためではないかと言われています。 実際の所は植物にしかわからないですからね。 おそらく、蝶や蛾に卵を産ませないために、いつもアリに見回りさせているわけです。 サツマイモやソラマメにも、アリを呼ぶための蜜腺がありますが、 やはり同じ意味合いです。 でも、食害されやすいアブラナ科の野菜には蜜腺がありません。 あれば、アオムシに食べられることはないのに…と思います。 そっか…では、パッションフルーツのそばにキャベツを植えてみる? なんか良い組み合わせはないかなあ… 私の1日はいつもこんな風にして始まります。 今年の夏は猛暑らしいですが、暑さはこれからが本番と言ったところでしょうか。 水やりや植物の手入れ、庭の散策も出来るだけ涼しい朝に行いましょう。 花が咲くのも、果実が甘いのも、朝だけよ。
深町貴子
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