神奈川県川崎市生まれ。 東京農業大学短期大学部卒業 園芸家 有限会社タカ・グリーン・フィールズ 専務取締役 グリーンショップ「GREEN LIFE TAKA」オーナー 東京農業大学短期大学部生物生産技術学科非常勤講師(バイオセラピー論・園芸療法概論)
現在、NHK「趣味の園芸 やさいの時間」講師のほか、NHK「あさイチ『グリーンスタイル』」コーナー講師としても活躍中。 http://www.taka-greenfields.com/site/
こんにちは。深町貴子です。 残暑が厳しいと感じる今日この頃です。 立て続けに台風がやってきて、各地で大きな被害も出ました。 地球はこの先どうなるのだろうと、空を見上げては不安が募ります。 しかし、植物たちを見ていると、 台風でなぎ倒されても、翌日には必死に立ち上がろうとする姿に出会います。 それでも今を生きる…そんなメッセージに聞こえます。 我が家のベランダ菜園は、 春から育ててきた果菜類が夏の暑さでお疲れ気味です。 ミニトマトは猛暑になる前に栽培を終了しました。 暑さでトマトが煮えた?感じです。 調理用に使うイタリアントマトは皮が厚いせいか、暑さに強いですね。 さて今日、紹介したいのは我が家のキュウリのつよし君です。 つよし君が種まきされたのは1月のこと。 植付けしたのは3月で、なかなか大きくなりませんでした。 それはそのはず…。だって寒いんですもの。 それでも雌花が咲き始め、収穫が始まったのは4月に入ってからでした。 一般的な普通のキュウリ品種ですが、鉢は18cmの6号で育てていました。 通常なら、あり得ないですよね。 だって、キュウリの根の張りは浅いけれど、広く張る性質なため、 鉢は大きめを選択するものです。 ではなぜ?小さい鉢を選んだの? う〜ん。 単純に野菜の盆栽は作れるのかなあ?と思ったのです。 盆栽といっても、食べるキュウリが小さくなっては嫌で、 コンパクトに育ててみたい….という願望だけです。 野菜をプランターで育てるとなると、 大きな野菜用プランターを選ぶことが当たり前となっています。 でも、私は腰が悪くてね…. 土を軽くしてみたり、鉢の素材を紙にしてみたり… 軽量化に努力してきました。 でも、多少軽くなっても、やっぱり大きい…やっぱり重いのです。 そこで、いっそのこと小さな鉢で育てたらどうなるのかな?という疑問から、 小さく作る栽培法を研究しようと思いました。 4月まで無加温のサンルームで育てました。 普通サイズのキュウリが1本ずつゆっくりとなりました。 暖かくなってきたところで、屋外のベランダで育てるようにしました。 5月に入ると、近所のホームセンターでも苗が販売されるようになり、 購入してもう一鉢に植え付けました。 写真は6月のものです。 左が6号の鉢で育てているつよし君、右が一般的な10号鉢サイズのキュウリです。 ツルの長さはつよし君の方が断然長いです。 こんな感じで、鉢の植えにぐるぐる巻きにしていました。 6月の後半には立派なキュウリが次々と実るようになりました。 しかし7月になると厳しい暑さが襲い、 何度も水切れを起こすようになりました。 葉も傷み…実もならなくなり、そろそろお終いかなあ….と思いましたが、 7月後半になると、新しく出た葉が美しい緑色になったので、 これは、いけるかも?と思い、ツルのまき直しをしました。 傷んだ葉を取り除き、ツルをいったんほぐして、 もう一度下からまき直しします。 すると、8月に入ってすぐ、曲がったキュウリがなりました。 くるんと曲がったキュウリは、土壌水分の乾湿の差が大きいほど出来やすいです。 仕方なく、6号から8号の鉢に植え替えてみました。 水分調整に気を遣いながら育てていくと…. 8月の中旬にまっすぐなキュウリがなりだしました。 季節は秋にむかっています。 朝晩が涼しくなると、植物たちも体力が回復してきます。 またたくさん出来るといいなあ…. このキュウリのつよし君は、草丈わずが50cm。葉張りをいれても30cm程度。 実際の草丈は2m以上あるのですが、45cmのあんどん支柱に絡めているのでコンパクトなのです。 通常は種まきからおよそ150日で栽培終了と言われています。 この子はすでに240日。 どこまで頑張れるのだろうか? 実っている間は定期的に肥料(液肥がおすすめ)を与えること、古葉は早めに取り除きます。 それと割り箸で何度も土に穴を開け、強制的に空気を送りました。 もちろん、毎日害虫の駆除。古株になると、病害虫に狙われやすくなります。 こまめに状態をチェックしながら、年内にあともう少し収穫したいな。 頑張れ〜つよし君。 さて、どこまでいけるか….こうご期待だね。 基本的に野菜の栽培法は、畑が基本となっています。 畑のやり方と、プランターで育てる栽培法は違っていても良いのだと思っています。 自分らしい、自分が育てやすい方法で楽しんでいただけたら、 もっとみんなの園芸が楽に出来るのではないでしょうか。 収穫する楽しみも大切ですが、ぜひ、育てる楽しみについても考えてみてくださいね。
深町貴子
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