こんにちは。深町貴子です。
もう桜(ソメイヨシノ)は終わってしまいましたが、
今は八重桜が見頃を迎えています。
ピンク色のぼんぼりがいくつも花咲いて、かわいらしい
皆さんのご近所の桜はどうですか?
桜(ソメイヨシノ)が散り、八重桜が咲く頃には
日中の気温も高くなる日が増え、平均気温は15℃程度になり、
地温は20℃以上になります。
この八重桜を基準に春の種まきをします。
ヒマワリや朝顔など、
夏に開花する春まき1年草は亜熱帯性のものが多く、
暑さには強いが寒さに弱い性質があります。
そのため、しっかり地温が上がるのを待ってから種まきすることが大切です。
ということで、今回は種まきについてお話ししましょう。
種まきには、できるだけ新しい土を使いましょう。
地面に直まきする際は、畑なら石灰で消毒し、
プランターなら熱湯消毒してから蒔くと安心です。
病害虫が多い古い土で種まきすると、発芽する前に腐ることがあります。
「種まき用の培養土」というものも市販されていますが、
種まき用とはどういうものですかね?
それは保水性が高く、肥料分を含まず、細かい土であることが多いですね。
タネにはもともと発芽のための貯蔵養分をたっぷりと含んでいます。
だから肥料分は必要ないのです。
そして、発芽のための大事な工程として、吸水があります。
休眠していたタネがたっぷりの水を吸水することで、
外皮が柔らかくなり、水分を含むことで休眠から目覚め、発芽します。
一度休眠から目覚めたタネは、発芽するまでは、決して乾いてはならないのです。
途中で乾燥すると、死んでしまうからです。
つまり、土はある程度保水性がよく、
タネに密着できるように細かい粒の土が多いのです。
もちろん、種まき用でなければならない…ということではありませんが、
種まきに理想の土と言えますね。
細かいタネなら、あまり気にしなくても良いのですが、
たとえばソラマメのような大きなタネの場合、
タネの養分がとても多いので、水分を含んだとき、
土の有機物が多いと腐りやすくなってしまいますよね。
タネの発芽は神秘的です。
あんなに小さなタネの中に、
発芽の時期を感知する遺伝子がある訳ですよ。
どんなに水を与えても、最適な温度になるまでは発芽しません。
発芽はタネの中にある貯蔵養分が分解されることで起こります。
そしてその分解は、温度と関係した化学反応によるものなのです。
発芽にはタネによって最適温度、最高温度(それ以上では発芽しない)、
最低温度(それ以下では発芽しない)があります。
温度に対する植物の反応は種類によって違い、
同じ種類でも品種によって違いがあります。
だから品種によって暑さに強いとか、寒さに強いものがあるんですね。
種まきの際は、必ず種袋の裏面を確認し、
蒔き時のカレンダーよりも、最適温度を気にするように心がけましょう。
そうすれば、お住まいの地域に合わせた蒔き時を見つけることができるはずです。
1個の植物としての生活は、発芽が出発点です。
適期以外で発芽をさせると、余計な体力を使い、その後の生育に影響がでます。
無理なく、スムーズな発芽ができるように、蒔き時をよく考えましょう。
忙しいからいっきにやってしまえ!と、
乱暴な種まきは避けるように…
う〜ん。
執筆しながら、反省している私….。
そうなんだよね。
どこか人間都合で作業しているのだと思います。
でもさ、
植物が何を感じて生きているのか…
その答えを知っているかどうかって、
とても大事だと思うんだよね。
できるだけ、植物の声を聞き、対応することができたら、
彼らに寄り添って生活していると実感できるかもしれない。
もっともっと自然を理解することができるかもしれない。
いつもタネを蒔くとき、
私はそんなことを考えています。
深町貴子