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深町貴子(ふかまち たかこ)

神奈川県川崎市生まれ。
東京農業大学短期大学部卒業
園芸家
有限会社タカ・グリーン・フィールズ 専務取締役
グリーンショップ「GREEN LIFE TAKA」オーナー
東京農業大学短期大学部生物生産技術学科非常勤講師(バイオセラピー論・園芸療法概論)

現在、NHK「趣味の園芸 やさいの時間」講師のほか、NHK「あさイチ『グリーンスタイル』」コーナー講師としても活躍中。
http://www.taka-greenfields.com/site/

■今までのブログ一覧


「病気と害虫」

2014.07.01 Tue

こんにちは。深町貴子です。

梅雨真っ只中ですが、最近はまるで熱帯雨林気候のように
スコールのような激しい雨が良く降ります。
断続的に強い雨が降ると、
気になるのが、病気の発生です。
我が家でも、とうとう発生!…涙

これはマクワウリに発生したべと病。
葉の裏にはカビが生えたような跡があります。
病斑は葉脈に囲まれて色が変わり、どんどん拡大していきます。
特徴は雨が多いときや多湿になると、下葉からこの症状が出ます。

原因は土に中に含まれる病原菌が、
泥はねによって、葉裏の気孔から侵入し、被害が広がったと考えられます。
見つけ次第、葉を取ってしまうのが簡単な対処法です。
(殺菌剤などを使用する場合は、製品の用法・容量に従ってください。)
早めに対応すれば、被害を最小限に抑えることができます。

我が家は最小限どころか….すっかり下葉が無くなってしまいました。

ここ最近の叩きつける様な激しい雨によって、被害が出たものと思われます。
あ〜マルチをしておけば良かったのに…..と
ひたすら後悔しています。
土の表面にビニールでも、ワラでも、ヤシの繊維でも、なんでも良かったのです。

でもまあ、果実ができた後だったので、収穫はできそうです。
それに新しい花や葉も育っているので、なんとかなるでしょう。笑

病気は、病原菌を風や昆虫が別の植物に運び、伝染させたり、
もともと土に潜んでいたものが、水分をつかって傷口や気孔などから侵入します。
病気の植物をハサミで切り、そのまま別の植物を切った場合でも感染します。
つまり、手入れで良く使うハサミや自分の手も、
細心の注意を払う必要があるということですね。

 

皆さんの良く知るアブラムシも、
外から飛んできて、吸汁しては移動するので、病原菌を媒介しています。
そこで、我が家で活躍してくれる友達を紹介します!

ほら!君だよ君!
「ん?なに」
と、振り返ったのはカマキリさん。

我が家のベランダに住んでいる子です。
今年、ベランダで大量に孵ったようです。
縄張りのせいでしょうか…
プランター1鉢に1匹ついています。
普段は植物の葉に隠れていますが、飛んできたアブラムシや蝶、
アオムシなどを食べています。
つまり、害虫の被害が軽減できるのです。
とってもよい見張り役ですね。

また、アブラムシが大発生しても….
退治せずに我慢していると、今度はこの子が大活躍します。

「だ?だれ?」
「私はナミテントウムシの幼虫です」

ゲジゲジジャないですよ。
彼らはアブラムシをたくさん食べてくれます。
どこかでアブラムシが大量発生しそうな場合、
それを感知したテントウムシが卵を産み付けに来るのですよ。
餌になるからね。

ふふ〜ん。
自然界って面白いですよね。

私の苦手なクモだってさ…
気持ちが悪いわ!と、思うこともありますよ。
でもね、害虫を捕獲している様子を見ると、
ありがたいなあ〜すごいな〜という気持ちになります。

もちろん、益虫だけで、すべての害虫を防ぐことはできません。
だから安全な薬剤も必要でしょう。
彼らを守るためにもね。

こうした、自然界の様子を図鑑ではなくて、
自宅の庭やベランダでリアルに体感できるのは、
子供から大人までワクワクするような学び方ではないでしょうか。

病気や害虫と言えば、ガーデニングのなかではマイナスのイメージですが、
自然界の中に於いては、±0になるようにできているのだと、
様々な植物を見ていて思います。

病気や害虫が発生した時、対処の仕方も重要だけれど、
なぜ、そうなるのか?その原因を調べてみてください。
次からはきっと、防除ができるはずです。
そして、きっと昆虫の魅力に気がつくのではないかなあ。

ちなみに私は虫がとっても苦手なんですよ…
なのに、ものすごく興味があるから、虫と話がしたくなってしまう。
巣の中まで、覗きたくなってしまいます。
変ですかね?私….。

次回は暑さ対策についてです。
その頃には梅雨が明けているといいですね。
ではまた、お楽しみに〜




深町貴子