こんにちは。深町貴子です。
先日は、東京でも雪が積もりました。
皆さんのところはいかがでしたでしょうか?
朝早くから降り始めた雪でしたが、やがて雨に変わったので、
都心部ではあっという間に無くなってしまったようです。
でも、我が家はすっかりスキー場気分?
ここは地形の関係で周囲より寒いようです。
プランターもこんな状態です。
雪の下には小松菜が育っているはずなのですが、大丈夫かな?
少しずつ降り積もった雪なら、無理やり取らない方がよいです。
雪のおかげで水分や湿度が与えられ、寒さからも守られています。
かまくらに中にいるみたいだね。
2月に入り、寒さは一段と厳しくなってきました。
大寒を過ぎ(1月20日ごろ)、節分までが寒の内(寒中)。
一年で最も寒い季節と言います。
都心部で3cm以上積もったら、交通に支障が出て、パニックになることも少なくありません。
雪の多い地域の方々からすると、冗談のように聞こえるかもしれませんが本当の事。
滅多に降らない雪で喜ぶのは子供達だけで、大人たちはドキドキものなのです。
では、植物たちはどうなのでしょう?
突然降る雪に驚いて気絶してしまうとか?
まさか…
まあ、本当に夏に雪が降るなどの極端な出来事なら、あり得るかもしれませんが、
屋外の植物たちはちゃんと準備をしています。
どうして?天気予報を見ていないのに?
いやいや…彼らは気候の変化をちゃんと早めに察知し、それに向けて準備をします。
雨が降りそうだな…雪が降りそうだな….風が強くなってきたぞ…
気温、地温、湿度、風力、日照…
彼らは体全体を使って、天気を読むことができます。
感知しているのは光だけではないのです。
だから、徐々に気温が下がってくることで、
気孔をキュッと閉じたり、葉を固く締めたり、葉を落とす…
あるいは葉に産毛を増やして寒さから身を守ることだって計算できるのです。
すごいと思いませんか?
彼らはちゃんと意識して行動していると言えます。
ああ、原稿を書いている間に、小松菜の上の雪が溶けてきました。
ちょっと、ペッタンコになってしまいましたが、葉が凍っていませんね。
なぜなら、寒さに当たることで体内の糖度を徐々に高くして、
自分が凍らないように準備していたからなのです。
簡単に言うと水だけなら0℃で凍ってしまいますが、砂糖水なら凍らないのと一緒です。
だから冬の野菜たちは甘いのですよね。
しかも葉の色が濃い!
葉の色が濃いほど葉緑素が多い…つまり少ない日照でも効率よく光合成をしてでんぷんをつくり、
糖に変えているという訳。
そうか、じゃあ家の中の植物を外に出しても平気なのね?
いやいや...違いますって!
植物は急激な変化にはついていけないのです。
観葉植物が弱ってきたから「日光浴〜」といって、いきなりベランダに出すと、
すぐに枯れてしまうのはそのためです。回復させるにも時間をかける必要があるのです。
動物は移動できるので、雨や雪を避けることも、重ね着することもできますが、
動けない植物たちは、時間をかけて体を変化させなければなりません。
園芸とは、植物と寄り添いながら生きる事だと思っています。
夏の間は植物たちもぐんぐん大きくなるし、水やりも忙しく、
ゆっくり植物と向き合う時間がとれないかもしれません。
でも、冬の間の植物たちは、生長が抑えられていますが、ひたすら考え、
変化している姿を見ることができます。
冬の寒さで銀色の葉が美しく見えるラベンダーは、細かい産毛が生えています。
ちょっとは寒くないのかな。
水菜はギューッと詰まった短い草丈の株になっています。
寒風に当たる面積を最小限にしています。
ん?これではシャキシャキとした葉軸の歯応えがないような気が…
そうですね。野菜として食べるにはもう少し葉軸が長い方が食感や収量が多い…ということになります。
ではどうすればいいか?
それには不織布やビニールで覆うと、日中の温度が上がり、葉軸が伸びますね。
でもさ、パリパリの葉を食べる….と言うことでも良いのでは?
え?硬い?
じゃあ、鍋に入れてはどうでしょう?
その季節にあった食べ方をすれば、美味しくいただけますよね。
美味しく食べるには皆さんの知恵があれば良いのです。
野菜の形はスーパーに売られている形が正しい訳ではないはずです。
目の前にある植物の形が正しいのだと思います。
冬って園芸作業が少ないので、ベランダに出てくる機会が減ってはいませんか?
確かに寒いからねえ〜。
では、時々….ベランダや庭に出てみませんか?
今日はお天気がいいなあ〜という暖かい日に、勇気をだして外に出てみましょうよ。
植物たちと楽しいおしゃべりができるはずなのです。
きっと、そこには新しい発見が見つかるはずです。
誰よりも先に、春の息吹を探してみませんか?
寒さを乗り越えるためには、寒さに自分が慣れることも大切だと植物たちは言うかもね。
さて、2月のNHKやさいの時間は「きのこ」やります。
きのこは野菜でも植物でもありません。
なのに「やさいの時間」で放送しちゃいます。
放送はNHK Eテレ2月8日(日)8:00〜8:34。
再放送は2月12日(木)11:30〜11:54
http://www.nhk.or.jp/kurashi/yasai/
詳しい育て方は、NHK出版の趣味の園芸「やさいの時間」のテキストをどうぞ。
へへへ…またまた宣伝してしまいました。
キノコの栽培はこの寒さが落ち着いた頃に始める、これからの園芸作業です。
最近ではお部屋の中で楽しむ栽培キットも販売されています。
ぐんぐんどころか、みるみる大きくなるキノコ栽培にも挑戦してみてね。
寒さがつづくのもあと1ヶ月ほどです。
短い冬を自分らしい楽しみ方で過ごしてみましょう。
深町貴子