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深町貴子(ふかまち たかこ)

神奈川県川崎市生まれ。
東京農業大学短期大学部卒業
園芸家
有限会社タカ・グリーン・フィールズ 専務取締役
グリーンショップ「GREEN LIFE TAKA」オーナー
東京農業大学短期大学部生物生産技術学科非常勤講師(バイオセラピー論・園芸療法概論)

現在、NHK「趣味の園芸 やさいの時間」講師のほか、NHK「あさイチ『グリーンスタイル』」コーナー講師としても活躍中。
http://www.taka-greenfields.com/site/

■今までのブログ一覧


「夏の終わり」

2016.10.12 Wed

こんにちは深町貴子です。
お〜い、秋はまだか〜?
残暑厳しく、毎日そんなつぶやきをしておりましたが、
今日になってようやく秋の気配を感じました。
9月は毎日雨ばかり…日照もほとんどありませんでしたね。
植物たちがみな困っています。
もちろん、私も困っていますけどね。

衣替えなんてまだまだ…と思っていましたが、街を歩いてみると、
街路樹のハナミズキは紅葉し始め、赤い実がなっているのを発見!
植物たちの方が一足先に秋を感じているのですね。

先日仕事で山梨に行ってきました。
八ヶ岳の麓なので涼しいことを期待していきましたが、
やっぱり暑かった…。
そんななか、花の生産者のハウス内で
忙しそうに仕事をするマルハナバチと会いました。
声をかけても、全く振り向いてもらえず、
ミセバヤの花のなかでゴソゴソ。



暑さのせいか、虫の動きはまだまだ元気いっぱい。

う〜ん。そうそう。
秋になれば、害虫が少なくなるので野菜は育てやすい…って、
今年は嘘ですね。
アブラムシもアオムシも超元気です。
育てていたニンジンの葉っぱはいつの間にか棒だけになり、
芽キャベツの葉も穴だらけ。

いつもなら、ここまでひどくならない(穴だらけ)のにな。

残暑のせいか、落花生もいっこうに枯れてこない。
ちゃんと出来ているのか心配…。
プランターだと鉢いっぱいに根が張っているので、畑のような試し掘りはできない。
そこで、鉢の縁に添って入っている子房柄をそーっと抜き出してみました。
あ、、これも試し掘りよね。



おっ!あるかも….



あった!きゃっ、、、可愛い!
まだ小降りだけれど、ちゃんと落花生出来ていますね
収穫は葉が黄色くなり始めた頃、晴天が続いたときに掘りあげます。
もっと大きくなりますように、、、
願いを込めて、土にまた戻しておきました。

初夏の頃から育ててきた野菜もそろそろお片付けの時期。
ピーマンは寒さに弱いので、この後いっきに枯れる可能性があります。
トマトやナスの収穫はそろそろ終盤。
ショウガやサツマイモはこれから掘り上げですね。
だんだんベランダがすっきりとしてきましたか?
でも秋冬は葉茎野菜や根菜類が主役のシーズン。
ぜひ、秋冬も続けて楽しんでください。



写真はカブの発芽。ちょっと早かったかな、、、
カレンダー通りに種まきしたけれど、気温が高くて日照不足、
おまけに雨が多いので、なんか....間延びしていまいました。
ほら、双葉の下が、少し長いでしょ。
この部分が長くなるのは日照不足のほか、水分の多さや、
夜の温度が高いときに起こりやすいです。

この胚軸部分は将来、カブの肥大した部分になります。
胚軸が長すぎると、肥大する前にフラフラと倒れてしまい、
形の悪いカブができてしまいます。
双葉が開くまでのたった数日のことですが、
この間で今後の生育が決まってしまうのですから、
双葉が開くまではとても大切な時間なのです。

私は場合によっては、納得するまで何度も種まきにトライすることがあります。
え?でも発芽しちゃった子はどうするの?
大丈夫、、、しばらくして、スプラウトとして食べちゃいます。
プランター栽培だと、1袋のタネの量が多いときってあるじゃないですか。
だから、贅沢に何度も種まきするのです。
これならOKという形をつくるのは、なかなか難しい時もありますが、
ほんの少しの環境の変化で、大きく変わる植物の姿を知ることはとても勉強になります。
園芸初心者のうちは「芽が出た!」だけでOKですが、だんだん栽培に慣れてきたら、
より良い苗づくりのため、いろいろ試す、挑戦してみるのも良いのではないでしょうか。
園芸の奥深さは知れば知るほど、経験すればするほど、面白いと感じます。

さあ、皆さんはこの秋、何を挑戦しますか?










深町貴子