神奈川県川崎市生まれ。 東京農業大学短期大学部卒業 園芸家 有限会社タカ・グリーン・フィールズ 専務取締役 グリーンショップ「GREEN LIFE TAKA」オーナー 東京農業大学短期大学部生物生産技術学科非常勤講師(バイオセラピー論・園芸療法概論)
現在、NHK「趣味の園芸 やさいの時間」講師のほか、NHK「あさイチ『グリーンスタイル』」コーナー講師としても活躍中。 http://www.taka-greenfields.com/site/
こんにちは深町貴子です。 少し間が空いてしまいましたが、今年もAGRIOさんにお送りしますよ。 今は冬ですが、もうすぐそこまで春がやってきています。 林を見ると、なんとなく枝が充実してきているような、 桜の枝先がなんとなく膨らんできているような…そんな気がします。 梅の花が咲き、水仙の香りが漂えば、 様々な植物たちが長い眠りから覚め、密かに活動をし始めます。 もちろん、木々の芽吹きはもう少し先… だから、野鳥たちは個人のお庭を狙います。 花壇の花や家庭菜園の野菜は、小動物たちにとっては希少な食糧源。 あらあら、こんなに食べちゃって…. これは芽キャベツの頭。 頭じゃないか? 上部の葉ですね。 冬の野菜は甘くて、コクがあって、本当に美味しいですものね。 野鳥がよく啄んでいます。 我が家のベランダにはヒヨドリ、スズメ、メジロが集団でよく遊びに来ています。 たまにセキレイがトトト…と歩き、冬の間はジョウビタキを見かけることがあります。 ウグイスももうすぐ鳴きますよ。 野鳥に詳しいわけではありませんが、私にとっては冬の楽しみの一つです。 ベランダに少しだけ野菜を残しておくと、バードウォッチングができるので、 ちょっと楽しいのです。 鳥たちは啄みやすいものから食べているようなので、 肝心の芽キャベツには目もくれず…. 我が家では、上手に芽キャベツを鳥とシェアしているような? あ、食べてほしくないものは、こうしてちゃんとネットをかけています。 こうしておけば葉も芽キャベツも綺麗に残っています。 でも、なんだろう。 鳥に食べられていても、食べられていなくても、 見た目がきれいなだけで、芽キャベツはちゃんとできるんだなあ…..と 時々思います。 人間が神経質過ぎるのかなあ。 撮影に耐えられる野菜を作りすぎるのだろうか? もちろん、上部の葉を守ったほうが、大きな芽キャベツはできます。 けれど、鳥とシェアしたって、芽キャベツが収穫できないわけではないのですね。 私は虫とどうやって共存していくか?をよく考えていますが、 鳥ともうまく付き合えるような気がしています。 実際に、鳥たちは葉だけを食べているのではなく、 葉の間に隠れている昆虫を食べてもいるからです。 園芸は自然とともにあることを忘れてはダメですね。 土も肥料も、虫も鳥も… 私たちが園芸を楽しむことは、自然の一部を借りているのと一緒。 だから、上手に付き合わないとね。 ちなみに無肥料で芽キャベツを放置するとこんな感じ。 プランターの土にまったく養分がないということが、よく分かります。 芽キャベツが大きくならない….という人は こんな感じなのではないでしょうか? 寒くなる前(秋までに)にしっかりと肥料を施し、 茎や葉を大きく育てることで、芽の数や大きさが決まります。 冬のベランダは楽しいです。 作業することはあまりないけれど、 訪問してくれる小動物にワクワクしたり、 散歩すると新しい発見があったりしますからね。 ほら、みてみて! 本日のパプリカです。 収穫しないでおくと、茎についたまま枯れます。 でも、考えてみて。 植物は枯れていても、この中身のタネは生きているんだな….って考えると、 すごいなって思いませんか? 冬の間もこうして果皮の中で守られ、春を迎えるのです。 気温が高くなり、雨が降れば、 腐ってポトンと地面に落ちて、きっと芽が出てくるのでしょう。 考えてみれば、自然のサイクルなんだから、当たり前なのですが、 早く、きれいに、効率よく….ばかりを考えていると、 なにか大切なものを見失ってはいないかと、不安に思います。 たまには、人間の眼ではなく、 虫や鳥の眼で、自分の園芸を見てみるのも悪くないですね。
深町貴子
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